愛犬クロの旅立ち~ミユキとクロの物語~
〜第1章〜 クロをこのままにしておけない
長い間家族として共に過ごした愛犬クロが、眠るように息を引き取った。ミユキの心は深い悲しみに包まれ、クロとの思い出の数々が走馬灯のように頭の中を駆け巡る。
ミユキ「・・・クロをこのままにしておけない」
ミユキはクロを葬ってあげなければならないことに気づき、悲しみから立ち上がる。クロのために最後にしてあげられることはないか?どのように葬ってあげればクロは喜んでくれるのか?という思いから、ペット霊園業者に電話して話を聞いてみることにした。
〜第2章〜 茫然自失
電話に出たペット霊園業者の話によると、クロを火葬した後は4つの選択肢があるとのことだった。
① 人間と同じように、個別の墓地にお墓をつくる
② ロッカー式の霊座に遺骨を納める
③ 合同納骨堂に遺骨を納める
④ 飼い主に遺骨を返却
ミユキは考える。できれば個別の墓地にお墓をつくってあげたいけど、娘たちも受験を控えており、とてもそんな余裕はない。クロはよその犬を怖がることが多かったから、合同納骨堂もダメだ。
ロッカー式の霊座はどうだろう?そう思い、ペット霊園業者に費用を聞いてみると、火葬料とは別に初期費用が掛かり、毎年管理料も掛かるという。
そんな話を聞いているうちに、ミユキの心には別の心配が浮かんできた。
ミユキ「すいません。ちょっと気になったんですが、たとえばわたしが事故などで急に亡くなって、管理料を払えなくなったら、クロの遺骨はどうなるんですか?」
ペット霊園業者「霊座の管理料をいただけなくなった時点で遺骨をお返しすることになります。契約書にはそのように書いてあります。わたしどもはあくまでも場所をお貸ししているだけに過ぎませんし、そういう約束の上でお預かりするだけですから。管理料は毎年請求させていただきますが、連絡がつかない場合は合同納骨堂に移動させていただきます」
ミユキはショックを受けた。こんな大事なことをこちらが聞くまで言わない上に、結局最後はよその犬たちもいる合同納骨堂に入れられてしまうとは。それではロッカー式の霊座に入れてもらう意味がまったくない。それに最後は合同納骨堂に入れるとは言っているものの、ほんとうにそうしてくれるのか自分には確かめることもできない。合同納骨堂の空きスペースを確保するために、連絡が途絶えた顧客のペットの遺骨をゴミのように処分するということはないのだろうか。ペット霊園業者をまったく信用しないわけではないが、やはり不安が残る。
ペット霊園業者「もしもし?とにかく火葬だけは先にしておきましょう。その後のことは資料を見ながら決めればいいですから。今すぐお迎えにまいります。お住まいはどちらですか?」
しつこく迫るペット霊園業者の言葉は、茫然自失となったミユキにはもはや届いていなかった。
数分後、ミユキがハッと気がついたときには、耳元で「ツーツーツー」と電話が切れた後の音だけが鳴っていたのだった。
〜第3章〜 自然へ
サトミが愛犬ジョンを亡くしたときはどうだったんだろう?そう思ったミユキは、早速同じ犬好きの友人であるサトミの家に行き、どうやって愛犬を葬ったのか聞いてみた。
サトミ「・・・そうだよね。結局最後は合同納骨堂に入れられちゃうんだよね。わたしもそれが気になってね。ウチのジョンもよそのワンちゃんとよくケンカになってたから、合同納骨堂はいやだったんだ。それに合同納骨堂って、きっと暗くて狭いでしょ?そんなところにジョンを閉じ込めるなんてかわいそうだよね。だからわたしはジョンの遺骨をうちの庭に埋めたの。
毎年ジョンの命日に、家族みんなでジョンの好きだったジャーキーを供えて手を合わせてる。これならわざわざ霊園まで行かなくてもいいし、管理費も掛からないからね。ウチのジョンもきっとそうだろうと思うけど、クロちゃんもミユキに経済的な負担を掛けたいとは思わないんじゃないかな」
ミユキ「・・・そっか。そうだよね。クロだって、わたしたちの負担になることをしてほしいなんて思わないよね」
サトミ「きっとそうだよ!それにね、わたしたちはペットといつも一緒だから忘れがちだけど、動物たちは本来自然の中で生まれて自然に帰ってゆく生き物なんだよ。わたしたちとずっと一緒にいてくれて、一緒に楽しい思い出や幸せな時間を作ってくれたんだから、最後は感謝の気持ちを込めて自然に帰してあげるのが一番いいんじゃないかな」
ミユキ「そうだよね。わたしが亡くなった後に暗くて狭い合同納骨堂に入れられるぐらいだったら、最後は生まれた場所である自然に帰してあげる・・・そうしてあげるのがクロにとっても一番なんじゃないかってわたしも思ったよ!」
サトミ「わたしがお願いした業者さんだったら遺骨をパウダー状にしてくれるから、庭に埋めるのも大変じゃないし、海に散骨してあげるのもいいと思うよ」
ミユキ「ありがとう!わたしもクロを自然に帰してあげることにするよ。サトミが頼んだ業者さんのこと教えてくれる?」
サトミ「うん、ペット霊園業者じゃなくて葬儀社なんだけど、三和仏商っていう会社だよ。やっぱりもともと葬儀社なだけあって礼儀正しいし、サービスが細かいのよね。遺骨のパウダー加工も無料でやってくれたんだよ。遺骨をパウダー状にしてもらうと深い穴を掘らなくてもいいから、庭に埋めるのも苦労しなかったんだ。一昨年にうちのおばあちゃんの葬儀があったでしょ?あのときも三和仏商にお願いしたの。すごくよくしてくれてね。それでジョンの時もお願いしたんだ」
愛するペットの魂を自然に帰してあげましょう
人間社会においても、残された家族になるべく負担を掛けたくない、自然に帰りたいと望む方が多くなってきているため、海洋散骨や樹木葬が増えてきています。そして、これは経済的にも負担が軽くなる選択肢です。愛するペットもお客様に経済的な負担を掛けたくないと願うことでしょう。
最後には、ほんとうの安らぎの場所である自然の中に帰るんだ・・・そう考えると心が安らぎます。そしてこれこそが本来の姿なのだということを強く実感します。
愛するペットの魂にもほんとうの安らぎを・・・お墓や合同納骨堂、ロッカー式の霊座ではなく、感謝の気持ちをもって自然に帰してあげることを、お客様も是非一度ご検討ください。
自然に帰すペット火葬 料金のご案内(税込)
下記料金にはペットのお迎え・火葬・骨つぼ・ご遺骨のパウダー加工・ご返骨のすべてが含まれています。追加料金はありません。どうぞ安心しておまかせください。
体重4kgまで 小動物・うさぎ・猫など |
体重12kgまで 中型犬など |
体重24kgまで 中大型犬など |
体重25kg以上 大型犬・超大型犬など |
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料 金 (総額) |
21,600円 | 32,400円 | 43,200円 | 48,600円 |

☑お電話での受付は24時間ですが、サービス対応時間は10:30~17:00となります。
☑︎サービス対応地域は館山市・南房総市・鋸南町となります。
☑︎ご遺骨のパウダー加工が必要ない場合はそのままご返骨いたします。
☑︎公共の場所には埋葬できません。ご自身の私有地に埋葬してください。
☑︎海洋散骨も承っております。お気軽にご相談ください。
〜第4章〜 あれから三年
ミユキとクロの話に戻りましょう。
あれから三年。ミユキはクロの遺骨を埋めた裏庭にいる。そしてクロを埋めた場所に、クロが好きだったビスケットを供え、手を合わせたそのとき、そよ風が優しくミユキの頬をなでた。
ミユキ「(頬をなでたそよ風に顔を上げて)クロ?今ね、クロがわたしの頬をなめてくれたみたいな感じがしたよ・・・そっか、クロは自然に帰ったんだよね。今、この瞬間、きっとこの風の中にもクロがいるんだよね。だからわたし、もう悲しくないよ」
そこには、人間としてひとまわり成長したミユキの姿があった。
完